平成26(2014)年も年を明け、まさに新たなスタートを切ったわけだが、間もなく所得税の確定申告時期ということもあり、今年から始まる“NISA(ニーサ)”が早くも紙面を騒がせている。
そもそもNISAとは、個人投資家を対象とした少額投資非課税制度のことであり、そのモデルはイギリスにある。平成25年12月をもって上場株式等の譲渡益や配当等に係る10%の軽減税率の適用が終了したことも相まって、個人投資家のみならず高い関心を集めている。
このNISA、果たして儲かるものなのか、それとも注意しないと元本割れなどの酷い結果を招いてしまうのか、メリットとデメリットを正しく理解した上で、運用していただきたい。
【 メリット 】
NISAのメリットは、何と言ってもNISAの非課税口座内において取引した上場株式などに係る譲渡益や配当等が非課税となることです。非課税口座内の株式等は年間で100万円まで、非課税期間は非課税口座内に設けられた非課税管理勘定ごとに最長で5年間です。
このNISAの特徴を最大限に活かして、毎年少しずつ積み立てながら運用して5年間で貯まった資金を6年目以降に新たにできる非課税枠を持ち越して積み立てと併せて運用を続ける長期投資型の運用や、家族などで非課税枠をフル活用して運用するなどの方法が注目されています。
【 デメリット 】
一方デメリットは、特定口座や一般口座等での譲渡益や配当等との損益通算ができず、また、譲渡損失の繰越控除を受けることもできないことです。
そして、一度売却をした非課税枠を再利用することもできませんので、100万円に満たなかった分を翌年以降に繰り越すこともできません。
なお、非課税口座に受け入れられるのは、あくまでも金融機関を通じて新規に購入した上場株式等のみであって、すでに特定口座や一般口座等で保有している上場株式等を移管することはできません。
最後の注意事項として、5年経過後に特定口座や一般口座等に移管される際には移管時の時価であるということです。最悪の場合、実際には損そしているにもかかわらず課税だけはされるというケースが発生する恐れもあるのです。