去る4月1日、その名のとおり我が国で最も歴史のある生命保険会社が、相互会社から株式会社へと組織変更し、同時に東証一部に上場したという記事が話題を集めました。初日の初値は16万円という高値を付け、この不況下において売り出し価格の14万円を大きく上回る結果となりました。かねてからの保険契約者のうち、今回の上場により株主となる者は数百万人におよぶ見込みであり、税務上の課税関係等についても気になるところですが、保険契約者が割り当てを受けた株式に係る経済的利益についての課税関係は、個人株主の場合には一時所得、法人株主の場合には益金として処理する旨が、国税庁により公表されております。
以下に、一時所得の計算方法を掲記いたしますが、一時所得とは、他の所得区分に該当するもの以外の所得のうち、営利目的の継続的行為から生じた所得以外の一時的な所得で、労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいうのですが、50万円の特別控除額があるため端的に言うと、他の一時所得との合計額が50万円以下であれば平成22年分の一時所得は0円となり、50万円を超えた場合にはその超えた額の2分の1の額が総合課税の課税対象となるので、確定申告を要する個人株主の方は、くれぐれもご注意下さい。
また、消費税の課税関係については、一株未満の端株を金銭にて受け取った場合や一株以上の株式について株式の交付ではなく金銭を受け取った場合には、消費税法上の非課税取引となります。一方、一株以上の株式を特定口座等で受け取った場合には、消費税の課税関係は生ずることなく、課税対象外取引となります。
【 一時所得の金額 】
〔 総収入金額 〕 △ 〔 その収入を得るために支出した金額 〕 ※ △ 〔 一時所得の特別控除額 〕
【 特別控除額 】
上記算式の※までの金額が、
50万円未満である場合 ………… その金額
50万円以上である場合 ………… 50万円
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