コラム

会社の決算書、誰にどう見られる?

これから会社を設立し、または個人事業から法人成りをして法人化し、業績が順調に伸びていくと、事業規模の拡大やその他の事情により、会社の決算書を第三者に見せるという場面に必ず遭遇することとなります。

みなさまの会社の決算書を見たがる相手方は、まずは融資を受けている銀行をはじめとした金融機関、そして株主といったところでしょう。では、会社の決算書は、どの部分をどのように見られているのでしょうか?相手の手の内を知らずして、有利に闘うことはできません。ここでは、会社の設立前に知っておいて決して損ではない、会社の決算書の見られ方をご紹介いたします。

【 銀行は、B/S(貸借対照表)に着目する! 】

会社を設立してのち、金融機関から資金を借りることはよくあることです。融資を受けたならば、約定契約を結んだ利息を含め、元本を返済しなくてはなりません。相手方である銀行の立場からしてみますと、これらの返済をしていく能力が会社にあるか否かという点が最大にして唯一の関心事となるのです。会社がいかに利益を出して黒字経営を続けているかということより、支払能力の有無を第一に判断したいのです。

一般に、支払能力は貸借対照表から判断します。会社に万が一の事態が発生した場合には、借入金は株主から提供された資本に優先して返済しなければなりませんので、自己資本が大きいほど返済能力があるということになり、ここで自己資本比率というものが最重要視されるのです。自己資本比率とは、会社の総資産のうちに自己資本が占める割合をいい、自己資本とは、株主から出資された資本金や自己株式、剰余金などをいいます。

また、いくら資産の額が大きかったとしても、毎月の返済に充てることのできる流動資産(キャッシュ)が足りていなければ返済ができませんので、流動資産が足りているかどうかも着目されることとなります。

【 株主は、P/L(損益計算書)を重視する! 】

設立当初の会社の株主構成を考えると、同族会社がその大半を占めるのが現状ですが、順調に会社が大きくなり、株式上場を視野に入れるような規模の会社になると、金融機関だけではなく、株主という新たな相手方が登場することになります。

ここで注意すべきは、会社の相手方である株主は、投資した金額自体の返済を受けるわけではなく、会社が生み出す利益の還元である配当金や株式を他に売った時に生じる譲渡益という収益を目的としているという点です。株式を高く売るためには、当然に株価が高い方がいいわけですから、会社の業績が重要視されるのです。業績や収益というものは、売上や利益という名称で損益計算書に記載され、また、株主がその判断材料とするさまざまな経営資料も、その多くは損益計算書から算出されるので、どうしても損益計算書が重視されるのです。